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アーティストボイス

レイフ・オヴェ・アンスネス

レイフ・オヴェ・アンスネス インタビュー

 Leif Ove Andsnes
 聞き手=山田明子(トッパンホール 企画制作部)
10月1日のトッパンホール2周年バースデーコンサートに出演する、ノルウェーの俊英ピアニスト、レイフ・オヴェ・アンスネス。今回の来日では都内唯一となるリサイタルを前に、来日直後の彼を訪ね、プログラムを中心に溢れる想いをインタビューしました。
―― まず、今回のプログラムについてお聞かせください。どういったきっかけで、この3曲を決めたのか教えていただけますか?

今回演奏するシューベルトとショパンのソナタは、それぞれの作曲家の晩年に書かれた作品です。長大なソナタで、彼らの人生そのものを色濃く表現していると思うし、僕にとっては、どちらも愛すべき作品です。
シューベルトのソナタD.850は、他と比べて、まだ高く評価されていないように思います。だけど、僕からしてみれば、溢れでる音楽が本当に美しく、そこがこの曲の素晴らしくて、大好きなところなんです。
グリーグの抒情小曲集は、今回のプログラムでは2つの大作の間に挟まれた美しい小品です。まるで豪華料理の中に、軽い料理が入ったようで、おもしろいでしょ?CDのレコーディングをして以来、今の僕にとっては、コンサートで演奏したいとごく自然に感じている曲なんです。

―― レコーディングの時は、グリーグ本人が使っていたピアノで演奏したんですよね?

ええ。作曲家本人のピアノを使って、この曲をレコーディングすることは、長年、自分の中で温めてきたアイデアでした。CDのリリースは、まさにそれが実現した形です。ふんだんな木に囲まれたグリーグの部屋で、ピアノの前に座り、演奏していると、その繊細で、透明感に溢れ、美しく歌われる音の響きの世界に、自然に入っていきました。

―― グリーグの感情を、あなた自身が感じとったということではないですか?

そうですね。本当に素晴らしい体験でした。ピアノは、1892年製のスタインウェイでした。さほど大きなピアノではないけど、音もとても良く、美しい部屋の雰囲気や大きさともマッチしていて、演奏している間は、作曲家の郷愁感や感情を想い起こさせました。

―― ショパンのソナタ ロ短調については、どんな思いがありますか?

ショパンのソナタは、僕にとってはデビュー曲ともいえます。17、18歳の頃、デビューリサイタルで演奏した思い出深い曲で、何度もコンサートで演奏していた時期がありました。ただ、最近は、なかなかコンサートで演奏する機会がなく、来日前に訪れたクアラルンプール、ソウル、そして日本での今回のツアーで、8、9年ぶりに演奏します。この曲に立ち返り、皆さんの前で演奏できるのが、僕自身、とても楽しみだし、わくわくしています。

―― 昨年、私たちのホールでクリスティアン・テツラフ氏がコンサートを行いました。今回、あなたの公演チラシを作るにあたって、彼がメッセージを寄せてくれたんです。

ほんとうに?彼もトッパンホールでコンサートをしたんですね?彼はメッセージの中で、僕のこと、よく言ってくれてますか?

―― もちろん。テツラフ氏は「アンスネスの弾くシューベルトは本当に美しいから、きっと私たちは、アンスネスとの素敵な時間を過ごせるだろう」って書いてくれています。いらっしゃるお客さまも、私たち、ホールのスタッフも、本当にあなたのリサイタルを待ち遠しく思っているんです。実は、トッパンホールは10月1日に2周年を迎えます。あなたのリサイタルが、そのお祝いのコンサートとなるわけですが、聴きにいらっしゃるお客さまに、メッセージをお願いできますか?

10月1日のコンサートが、トッパンホールの2周年をお祝いする素晴らしい日となることを祈っています。ホールを訪れるのは初めてですが、とても音響にすぐれたホールだと聞いています。
当日は、僕の大好きな、美しい曲ばかりを集めたプログラムをお贈りしますね。皆さんの前で演奏できることを楽しみにしています。

―― ありがとうございます。これからツアー初日となる新潟に向かわれるんですよね。成功をお祈りしています。次回は、ホールでお会いできることを心待ちにしています。

今日は来てくれてありがとう。お会いできて良かった。10月1日に、またお会いしましょう。

(2002年9月20日/東芝EMIにて)