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ユリア・フィッシャー

ユリア・フィッシャー インタビュー

 Julia Fischer
ユリア・フィッシャー待望の東京初リサイタルが、いよいよ来月9日に迫りました。ゲルギエフ、エッシェンバッハ、マゼールといった名だたる巨匠たちに認められ、かねてから大器の呼び声高い彼女の演奏会を、心待ちになさっている方も多いはず。でも楽しみにしているのは、ユリアも同じのようです。来日を前に答えてくれたメールインタビューに、ますます期待がつのります。
―― 日本へは、昨年4月にバイエルン響とのツアーで、その後9月にも関西へいらしていますが、日本の印象はいかがですか?また日本の聴衆をどう感じていらっしゃいますか?

 今回は私にとって4回目の日本になりますが、残念ながら滞在中のほとんどは演奏会会場とホテルの往復になってしまいます。でも毎回少しずつでも、日本の魅力を体験・実感する機会があることは光栄です。私にとって長い歴史・文化以上に驚きであり魅力なのは、日本人が持っている「まわりの人への配慮・思いやり」です。これはホテルや電車・タクシーのなかだけではなく、演奏会でも経験することが出来ます。また、舞台上の私をはじめとする音楽家の演奏を、比較しえない集中力と興味を持って聴いてくださる日本の聴衆は世界で最も素晴らしいと確信します。

―― 今回の来日について、意気込みをお聞かせください。

 一年ぶりの日本となりますが、これまで以上に素晴らしい音楽を皆さまと共有したいと思っています。ただ時間に追われ、日本語を勉強する時間がないことは残念です

―― コンクールではピアノでも受賞されていますが、ピアノのコンサートも開いていらっしゃるのですか?開いていらしたら、ヴァイオリンとの比率も教えてください。

 お客さまの前でピアノを弾いたのは、私の18歳の誕生日(2001年7月)が最後です。自宅では時間が許す限りピアノの前に座るようにしていますし、親友の音楽仲間が集まれば室内楽曲のピアノを担当することもあります。日本の皆さまにも「ピアニスト ユリア・フィッシャー」をご披露する機会があると良いのですが!ヴァイオリンと同じようにピアノは私の一部です。

―― これまでの演奏会で印象に残っているもの、指揮者などを教えていただけますか?

 たくさんあるので、大変難しい質問です。強いてあげるなら、私のシカゴ交響楽団デビュー公演ですが、クリストフ・エッシェンバッハ指揮のもと演奏した、ドヴォルザークの協奏曲。エッシェンバッハと私とオーケストラが舞台上で音楽という媒体を通じ、ひとつとなった演奏会だったのです。それから、ジュリアン・ラクリンの代役として急遽演奏した、ロリン・マゼール指揮=バイエルン放送交響楽団、チェロのハンナ・チャンとの、カーネギーホールでのブラームスの二重協奏曲も忘れられません。ハンナ・チャンとは初の共演にも関わらず、一度きりのリハーサルで、しかも初めてのカーネギーホールの舞台に立ったのですが、自分で言うのも変ですが、私自身もこれほど素晴らしい演奏を聴いたことがない、と思えるほどの結果を、ロリン・マゼール、ハンナ・チャンと生み出すことが出来ました。

 もうひとつ、私の長き演奏パートナーであるチェリストのダニエル・ミュラー・ショットとのブラームスの二重協奏曲、ピアニストのジャン・イヴ・ティボーテとのリサイタル、そして演奏会・録音・DVD録画を通じてファミリーとなったアカデミー・オブ・セント・マーチン…。素晴らしい思い出は尽きません。

―― ご自身で、自分の演奏はどういう演奏だと思われますか?

 これも難しい質問です!私にとって一番大切なのは「Make music――音楽を創る」ということ。その際、手にしている楽器がヴァイオリンなのかピアノなのかということは、それほど重要ではありません。

〈エスポワール スペシャル〉
ユリア・フィッシャー ヴァイオリン リサイタル
2004年4月9日(金)19:00
ユリア・フィッシャー(ヴァイオリン) / オリヴァー・スナイダー(ピアノ)
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲 イ長調 D574
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op.121
■一般 5,000円 / 学生 2,000円 / 会員特別価格 3,000円