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アーティストボイス

力強く、そして貪欲に。フランスの騎士が拡げゆく、奥深きハープの世界
写真 インタビュー

グザヴィエ・ドゥ・メストレ インタビュー

 Xavier de Maistre
 聞き手=トッパンホール
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 今回のトッパンホールのコンサートでは、ソロと室内楽の作品を織り交ぜた、一回だけのプログラムに挑戦します。

 室内楽では、フルートとのデュオが多いハープですが、個人的には、弦楽器との組み合わせに愛着を感じます。弦楽器の響きが、幾重にも重なる織物のようにハープの音を支えてくれるので、演奏していてとても心地よいのです。今回演奏するドビュッシーの《神聖な踊りと世俗の踊り》は、ハープの室内楽作品として最高傑作だと思いますし、素晴らしい共演者の方々にも恵まれ、とても楽しみにしています。

 また、ヘンデルの協奏曲はソロ用にアレンジされることもありますが、ハープやオルガンを意識して作られた管弦楽曲です。ヘンデルの特徴であり、オルガン的であるとも言えるポリフォニックな声部をハープでどう演奏するか、コントラストや音の変化をどう表現するかに意識を集中して演奏します。

 《コンチェルティーノ》を作曲したパリシュ=アルヴァースは、今年、生誕200年を迎えます。イギリスで生まれながら、演奏活動でヨーロッパ中を駆け巡った優れたハーピストで、素晴らしいレパートリーを後世に残した、ピアノでいえばリスト、ヴァイオリンでいえばパガニーニのようなヴィルトゥオーゾでした。ウィーンのオペラ座で演奏した時期もあり、彼の作品はウィーン楽友協会のアーカイヴに多く残っています。今回の楽譜も楽友協会で見つけたものを使います。生まれた国を飛び出して、ウィーンにたどり着いたという点では、私の大先輩といえるかもしれません。

 ソロでは、ドビュッシーのほかにヒンデミットとゴドフロワを演奏します。ゴドフロワはあまり知られていない作曲家ですが、そのような人たちの作品を積極的に取り上げ、ハープのレパートリーを皆さんにもっと知ってもらえるよう努めていきたいと思っています。

 私は、ウィーン・フィルの首席ハーピストですが、ソロ・ハーピストとして活躍することが小さい頃からの夢でしたので、やはりソロ活動も大切にしています。幸いなことに、ウィーン・フィルのメンバーは、私のソロ活動を積極的に後押ししてくれ、私がツアーで不在の際も、喜んで手助けしてくれるほどです。また、優れた共演者や偉大な指揮者との出会いはオーケストラの活動から生まれます。この二つの活動を並行するのはなかなか難しいのですが、私にとっては車の両輪のようにどちらも大切なものですので、今後も続けていきたいと考えています。

 日本には、毎年のように来日していますが、初来日の2006年にヴァイオリニストの久保田巧さんと共演したのがトッパンホールでした。お客様の反応もよく、良い印象が残っています。今秋のツアーで、この意欲的なプログラムを演奏できるのはトッパンホールだけですし、どの曲も私が愛する曲ばかりです。聴き手の方々にとっても、心から楽しんでいただける曲が揃っていますので、多くの方に聴きにきていただきたいですね。
グザヴィエ・ドゥ・メストレ(ハープ)
2008年11月19日(水) 19:00
グザヴィエ・ドゥ・メストレ(ハープ) / 小森谷巧(ヴァイオリン) / 渡部基一(ヴァイオリン) /
柳瀬省太(ヴィオラ) / 古川展生(チェロ)
ヘンデル:協奏曲 変ロ長調 Op.4-6 HWV294
ドビュッシー:2つのアラベスク ※ハープ・ソロ
ヒンデミット:ソナタ ※ハープ・ソロ
ゴドフロワ:ヴェニスの謝肉祭 ※ハープ・ソロ
ドビュッシー:神聖な踊りと世俗の踊り
パリシュ=アルヴァース:コンチェルティーノ ホ短調 Op.34
■一般 6,000円 / 学生 3,000円