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若さと、勢いと、不幸な歴史と。

2009年7月 3日 金曜日 ボンジュール小石川 | | コンサート情報

6月30日のパヴェル・ハース・クァルテットは、日本ではほとんど無名に近いクァルテットの公演であるにも関わらず、即売のCDがキレイに売り切れる熱い、熱い演奏会となりました。

 

アンコールやサイン会ではニコニコと屈託なく楽しげなメンバーの、見た目通りの若々しさと、見た目を裏切る猛々しさが、絶妙なバランスで同居した絞りたてジュースのような、酸味も甘みも盛りだくさんのおいしい演奏、多くのみなさまにご満足いただけたようでした。


ボンジュールも、前半のヤナーチェクだけ聴くことができましたが、ヒトヅマとの不倫の恋に幸福と憔悴の間を右往左往していたに違いない老巨匠の、心のヒダを自ら抉り出して晒しモノにしながらとっくりと点検しているかのような、主観性と客観性が入り混じるキョーレツな作品(?)に果敢に体当たり、聴き手をうっとりと酔わせてくれたのでした。

 

さてこのクァルテット。

 

チラシやメールマガジンをはじめ、色々な媒体で何度か申し上げてきましたとおり、ホロコーストの犠牲となったチェコの作曲家、パヴェル・ハースをその名に冠しています。
チェリストのヤルシェクがインタビューでも語ったように、第二次大戦前後にヨーロッパで活躍したユダヤ人の音楽家たちの多くは、その不幸な歴史ゆえか、音楽面での成果も長い間忘れられたままでした。

近年、そうした作曲家たちの作品を積極的にとりあげる若い演奏家が多く登場していますが、トッパンホールの主催公演もまた然り。
パヴェル・ハース・クァルテットもそうですし、エスポワールの8代目として登場する日下紗矢子さんも、「頽廃音楽家」の烙印を押されたまま強制収容所で命を落とした、エルヴィン・シュルホフを3回のシリーズすべてでとりあげ、その真価を紹介してくれます。

 

そして、7/10に登場するストリング・クヮルテット ARCOがとりあげるのが、アレクサンドル・フォン・ツェムリンスキー。
先のふたりとは立場は異なり、強制収容所に収容されたわけではありませんが、ナチスドイツの迫害を逃れアメリカへ渡る道を選んだ俊才。日本ではなかなかその作品を耳にする機会の無い彼の、限りない美しさに満ちた弦楽四重奏が、名手4人が揃ったARCOの演奏で、瑞々しく蘇ります。

 

個性豊かなメンバーの中で、日頃はおっとりと泰然自若だというファーストヴァイオリンの伊藤亮太郎さんが、クヮルテットの歴史のなかで初めて(?)強烈に主張してプログラムに組み込まれたというツェムリンスキー。
ブラームスとシェーンベルクをつなぐ、架け橋のような存在と評される天才の知られざる傑作がどう演奏されるのか。期待が高まりますね。

チケットにはまだ、余裕がございます。

 

ぜひ、お運びください!

 

>>ストリング・クヮルテット ARCOの公演詳細はコチラ

>>メンバーふたり(柳瀬省太、古川展生)の対談が掲載されたトッパンホールプレスはコチラ

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