桃が開花し、あと1ヶ月もすれば、飯田橋駅周辺は桜のお花見スポットとなります。
満開の桜の中を歩くのが待ち遠しいFriskyです。
3月の主催公演は、穏やかな春の日差しや薫りがどこか感じられる公演が揃っていますが、3月28日の河野克典さんのリサイタル(歌曲)も、そのひとつ。
このリサイタルでは、シューマンの2つの歌曲集《リーダークライス》がプログラムのメインに歌われます。歌曲は、漢字のとおり「歌(詩)」と「曲(メロディ)」の両方を楽しむことができる、なかなかお得な音楽だと思うのですが、特にシューマンの歌曲は、甘美な妄想にくらくらしてしまいそうな音楽で、シューベルトの歌曲とは違った楽しみがあるように思います。
シューマンが作曲した2つの《リーダークライス》。同じタイトルがつけられているものの、それぞれの詩は19世紀のドイツ文学を代表する別々の詩人によって書かれ、内容も全く違います。
作品番号で区別すると、作品24は、恋する若者の焦りや悲痛、憧れや喜びといった恋物語ならではの感情がつまびらかに歌われ、その終曲といったら、もう・・・!それまでの苦難なんてなんだったのかしら・・・とつっこみたくなるくらい、甘く穏やかな音楽で、これを最後に聴くと、恋っていいもんだなぁーなんて想いに浸ってしまいます。
一方の作品39は、より自分の奥深い内面に触れられるような気がして、全12曲で構成されている歌曲集ですが、終始どっぷり自分の世界に浸れます。中でも第5曲「月の夜」は、名曲といわれるだけあって、まるで月光浴をしているような心洗われる気持ちになります。詩のなかに「月」という言葉が出てこないのが不思議なくらい、詩と旋律の描写が美しく、いつかこれを聴きながらお月見したいなぁーと思ってしまいます。
2つの《リーダークライス》。
これを聴くと、気持ちが大きくなって、他人に優しくなれるような、、、そんな音楽です。