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ボンジュール、走る。

2016年3月 8日 火曜日 ボンジュール小石川 | | ボンジュール小石川

およそ勝負と名のつくものは、とりわけ一流に近づけば近づくほど、いずれ劣らぬ圧倒的な力量のごくごくわずかな差を、顕微鏡の中で拡大して拡大して、さてそこに生じた小さな小さな差がどれくらいであったか、それを競うかのごとし。

 

器楽やバレエのコンクールにしても、水泳のレースにしても、プロゴルフのトーナメントにしても、はたまた大食い王選手権にしても、チャンピオンを決める場に参加しているというただそれだけで、神様のごとく凄い人たちが頂点を目指して死力を尽くして戦い抜く。なんともすさまじい世界だなと思います。

 

そういうことって、物凄い神業の持ち主たちと平凡すぎるわたしたち、その彼我の差をリアルに体感しないで、凄い人たちだけをテレビやネットで漫然と眺めているだけだと、その凄さに気がつかない。ヴァイオリンはピッチもテンポも正確で当たり前、ピアノもどんな難曲もミスタッチ無しが当たり前、バレエでは難しいフェッテターンは32回軽々と回るのが一流のしるし、ゴルフなら歩けば何分もかかる遥かかなたのカップに34打で沈めてこそ上手、パーセーブさえときには「残念!」とか言われかねない、そのような厳しい世の中に、鍛え抜かれたツワモノたちは生きている。

 

マラソンもしかり、リオ五輪の代表選考、女子の混乱とは別に男子においては、「派遣できるレベルに到達した選手が見当たらなくてふがいない」というような風潮が感じられて、日々テレビや新聞ではそんな話題で盛り上がっているけれども、

 

ちょっと待って。

 

42.195キロを、ノンストップで走るだけでも凄くないですか?

ましてや2時間10分を切るスピードで、沿道だけでなくテレビの向こうのたくさんの人まで衆人環視の緊張感のなか走り切るとは・・・しかもマラトンからアテネまで自軍の勝利を報告するために駆け抜けた末に息絶えた兵士のように、1回ポッキリ走り抜けばよいのではなくて、年に何度も40キロを猛スピードで走りきる!

 

2時間6分と2時間10分では天と地ほどの差があるようなムードだけれども、それは上から目線の情報に汚染された残念な理解! 日々の通勤ですら息切れしかねないわたしたちと比べてみたら、6分でも10分でも超絶凄いことには変わりなく、顕微鏡レベルの微細な差なのであります。

みんな気付いて!!!!

 

あれ?

ボンジュールさんどうしたの、今日はやけに熱いね?

 

そう思われた皆さん、さすがです。

理由なく熱することのない亜寒帯のオトコことボンジュール。

妙にマラソンランナーに肩入れするのには、実は訳があります。

 

実はわたくし、この週末に、(横浜マラソンでマラソンデビューするんです・・・・!)

 

申し上げにくいことなのでカッコでくくってみました。

 

横浜に暮らし横浜を愛するわたくし、当選倍率の高い「横浜市民枠」という素敵な響きに魅了され、まともに走ったこともなかったのに興味本位でホイホイ申し込んでみたのが確か8月の終わりごろ。

そして、あれ? あれれ?

高倍率のはずなのになんでかうっかり受かってない?

ということを当選メールで知ってしまったのが、コンサートシーズン真っ盛りの10月中旬のことでした。

 

以来約5ヶ月。

 

走ろう、今日こそは走ろう、と念仏のように唱えながらしかし、あらゆる些細なできごとを口実にしてサボりにサボり続け、累計走行距離はたぶん300キロにも満たないボク。20キロ走では後半体力枯渇のために半分あの世へ行きかけるへなちょこランナー、それがボク。世界の一流ランナーが完走した頃には、必死で走ってようやく20キロに到達するかどうかで、仮にそのスピードで走ったら21キロで棄権必至のスピード感と体力しかない亀ランナー、それがボク。

 

なんでこんなの申し込んじゃったんだろう?

 

走っててもなんにも楽しくないし、後から後から抜かれるばっかりで抜く快感は全然味わえないし、なんで? なんで高額の参加料を払ってボクは、たまの休日に推定ゴールタイム5時間半もの間、走り続けなくてはならんのだろう、リタイア回収車が後方からヒタヒタ迫ってくるのを感じながら・・・?

 

まあ、仕方ありません。

出ると決めたからには出ますよ。

 

ランニングを始めてひとつだけ分かったことがあって、それは本当に収穫だった。

マラソンはただ走るだけの競技じゃない、入念な準備なしには到底完走すら見えてこない圧巻のスポーツ。そして、それはマラソンだけでなくて、どんな世界でもそうなんだっていう、実はとっても当たり前のこと。

 

どんな世界も突きつめて取り組み人々の本当の凄さ、それを実感しながら、横浜の街をのんびり走ってきたいと思います。

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