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ホールよもやま話: 2015年12月アーカイブ

年の瀬に・・・

2015年12月18日 金曜日 ボンジュール小石川 | | ホールよもやま話

風邪をひいております。

 

こどもの頃からどちらかというと病弱で、しかも長い期間しみじみと不調が続くやっかいなタイプの軟弱野郎でしたが、大人になって面の皮が厚くなってくるとともに、おおよそのバイキンには耐性ができたのか、ここ数年は比較的、わたくし的健康指数が高めで推移しております。けれども、年に数回は律儀に風邪をひき、咳と鼻水と溜息が止まらない数日間を過ごすことがあります。

 

いまです。

 

今回の風邪は、先週ちょっと季節はずれの暖かさだった日に、昼間のホットな勢いのままオープンテラス的なカフェーで、寒い寒いとボヤきながら友人と小一時間も談笑したせいに違いなく、そういえばカフェーにはわたしたち以外誰もいなかったっけ。世間のまともな大人はこうした油断はなさらないに違いなく、翻って己の迂闊さよ、そして体の弱さよ。

 

こうして、向こう数日の体調すらまともに管理できないわたくしのような人間からしますと、アーティストのみなさんの完璧な体調管理能力には、いつも、感嘆させられてばかり。

連日のようにやってくる本番に常に万全の体調で挑むため、からだの声に真摯に耳を傾け、必要のない無理はせず、プロフェショナルとして舞台第一を貫いておられます。

 

とはいいながら。

 

さすがに何年も裏方をやっておりますと、「実はあのとき辛かった」、というお姿を垣間見ることも、ときにはあります。

 

とりわけ多いのが、やはり、気をつけていてもどうしても罹るときには罹ってしまう、「インフルエンザ」と「胃腸炎」。これらには、百戦錬磨のアーティストのみなさまも、おそらく断腸の思いであろうけれども、膝を屈し、その身を捧げざるを得ないことも。お客さまには心よりお詫びを申し上げ、公演中止や出演者変更になったケースもいくつかございました。

 

けれどもたいていの場合において、実は辛い、実は痛い、その苦しみをそっと隠して、舞台の上では溌剌と振舞うアーティスト魂。

実はあのとき40度の熱が出てたんだよ、と後から聞かされて、「ええええ?」と文字通り仰天。その精神力の強さに脱帽することもしばしばですし、そもそも誰にも悟られることなくひっそり体調不良を隠し通す方も、少なからずいることでしょう。

 

とある弦楽器奏者の方は、リハーサルの時から高熱、本番も高熱、前後の公演の移動の際も実は高熱、ご一緒した数日間はずっと最悪の体調でいらしたのに、舞台上でそれと気付かせないのはもちろん、スタッフを和ませ、共演者を気遣い、徹頭徹尾ムードメーカーを演じておられました(いま考えると、そういえば辛かったのかな、と思い出される局面もありますけれども、そのときはまったくそれを悟らせませんでした)。そして、ホールの歴史にも刻まれるほどの素晴らしい演奏を披露されました。

 

プロの演奏家であるということは、というか、それは演奏家に限らず、お客さまとなんらかの時間的な約束を交し、その場にいて何がしかのコンテンツやらサービスやらを提供することを生業にしているひと全てに当てはまるのでしょうが、約束をできる限り違えず、お客さまの期待に応えるために公私の別なく全力を傾注するのが使命だという「覚悟」をもてる人だけが、その道のプロを自称できるのかもしれません。

 

もうすぐ新しい年を迎え、心機一転を期するに相応しい時機。

わたくしもひとつ、来年は「体調管理」に焦点を当て、決してひと様に迷惑をかけることのない裏方のプロになりたいと願いつつ・・・、

 

だがしかし、

 

ときにはさりげなく風邪をひいて、体の中の毒素を小出しに排出していくのも(そしてついでに盛大に弱音を吐いて、心の元気を取り戻すのも)悪くはないのかな、と、早速自分を甘やかしております。

 

へっくしょん。

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