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春: 2013年4月アーカイブ

異文化体験 その1

2013年4月23日 火曜日 春 | | ホールよもやま話

「前橋汀子・わが心の旅」を見てからずっと、彼女のファンでした。
もう、10年くらい前のNHKの番組です。前橋さんが、留学していた時代にはレニングラードと呼ばれていたロシアの街サンクトペテルブルクを訪ね、通っていた音楽院や今も残る街並みなど、思い出の場所をテレビカメラと共に訪問し、想いを語るというもの。

留学はもとより、海外渡航ですら容易ではなかった時代に、ひとり異国に身をおき、生活をするのは、大変な苦労だったのだろうと想像する一方、時を経て国家そのものも大きく変貌してしまった今、もう誰も辿ることができない貴重な体験をされた人なのだ、という羨望も感想に抱きました。

4月14日は、そのロシアへの想いをこめたコンサート。公演チラシや情報紙トッパンホールプレスでは「原点をみつめる」「ロシアへの尽きぬ想いを刻む」等、企画の主旨や彼女の想いが熱く語られましたが、それらが生の演奏をもってガツンと具現化されたかのようでした。前橋さんが体験した時代のロシア文化の薫りが、たっぷり伝わってくるすばらしい公演でしたね。
ご来場くださった方々、ありがとうございました。

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とはいえ、ロシアでの生活は、もう数十年も前のこと。そこで得たものが彼女の中にしっかり刻みこまれ、時を経ても決して褪せることなく、今に繋がっている...というのは新鮮な発見でした。人生の大切なステージで異文化体験をすると、それが、育った家庭環境や学校教育以上に、その人の後の人生に影響を及ぼすと聞いたことがありますが、前橋さんにとってのロシアもそうだったのかな、と想像します。

話は逸れますが、思い当たるフシがあります。私、春もずいぶん昔、異国で暮らしていたのですが、いまだ、そこでの価値観、習慣が抜けていないと感じることがあります。これを不便としたこともありますが、このような濃い体験は、いわば形のない財産なのかもしれませんね。大切にしなくては・・・と。そんなことを教えられたコンサートでした。

春の異文化オモシロ話は、また、機会があればご紹介しましょう。

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