シリーズ〈アジアの感性─多彩な才能とその多様な可能性〉
Kun Woo Paik
©Woo Ryong Chae
音楽には、その国の風土や生活習慣、言語が様々な形で深く翳を落とします。どこで生まれ、どこで育まれた音や音楽なのかは、その手触りといったところに如実にあらわれるといえましょう。
西洋で生まれたクラシック音楽が世界に広まってから、数百年。遠く西方から伝わった音楽の形は、今やアジアの中にも深く浸透し、私たち日本人も否応なく、平均律をベースに耳が出来上がっています。
そして現在では、アジアのアーティストは世界中で活躍し、音楽界を席巻しています。いまやアジアの感性、アジアの情感がクラシック音楽に新たな光を燈している、とも言えるのではないでしょうか。
そこで、気候・風土・民族的に私たちの感性と近い、アジアのアーティストから生まれでる音楽に焦点を充てて、クラシック音楽の可能性と奥深さを再度見つめ直してみようという、シリーズ〈アジアの感性〉をスタートさせました。
今シーズンは、シリーズの第2弾に出演し、ブラームスの小品とベートーヴェン最後のソナタOp.111の圧倒的な名演で、聴衆を呪縛・魅了したクン=ウー・パイクが、再び登場します。シューベルトがピアノのために遺した小品の傑作だけを集め、パイクの心に響く形で選曲、再構成し、ピアノ作曲家としてのシューベルトの広大な宇宙を描く意欲的なコンサート。韓国が生んだ偉大なピアニスト、パイクが、シリーズ〈アジアの感性〉に新たな光をあてます。