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トッパンホールのはじまり


 ヨーロッパという一地域の音楽でしかなかったクラシック音楽が、世界的に広く普及することになったきっかけに、瞬間に消えてしまう「音」を記す記譜法により「楽譜」というものが誕生したことが挙げられます。そしてグーテンベルクの印刷機、印刷技術の発明が、この「楽譜」の普及に際して大きな役割を果たしました。植民地主義の時代にあっては、「楽譜」はヨーロッパのみならず楽器とともに広く世界へ輸出されていき、各地で地域の音楽と出会った西洋音楽はその後、互いに大きな影響と刺激を与えあって、今日に至る音楽の「変革」のきっかけとなっていきました。そこからは、西洋音楽が一時代、一地域だけの音楽とは言い切れない意義を持っていることも見えてきます。

 トッパンホールの母体である凸版印刷株式会社 (http://www.toppan.co.jp)は、1900年の創業以来、印刷を核に情報、暮らし、文化との結びつきを深めながら事業を展開しております。伝えたい思いを伝えたい人へ、時には時代を超えた財産を次代へ届ける仲立ちの場において、「知と技」を駆使して情報を活かし、伝達手段を最適化することで情報コミュニケーションの世界を深める役割を担ってまいりました。日常生活の中に浸透し欠くことのできない印刷技術をベースに、現在では情報ネットワーク系、生活環境系、エレクトロニクス系の3つを中核に、パーソナルサービス系、次世代商品系へと事業領域を拡大しております。2000年には創業100周年の節目を迎え、これを第二の創業と位置付けて「情報コミュニケーション産業」のさらなる発展を願い、さまざまなコミュニケーションを通して「ふれあい豊かなくらし」の実現に寄与していきたいと考えています。

 物質文明が極まった感のある現代。モノに価値を見出していた時代から一転して、最近では「感性=感じる心」が重視されるようになってきました。コミュニケーションをキーワードに事業展開する凸版印刷では、今後コミュニケーションにおいて「心を動かされること=感動」が重要なファクターになると考えています。 創業100周年を機に、企業としてより一層社会文化貢献に注力していくなかで、日本で初めての本格的な印刷博物館(http://www.printing-museum.org)と優れた音響空間を誇るコンサートホール「トッパンホール」を設立しました。
 感動を生みだすさまざまな芸術のなかでも、「音楽」を選択した理由には、とりわけ音楽が、世界共通の言語と言われ人々のコミュニケーション手段として最も広く愛されていることが挙げられます。また、前述のように印刷とクラシック音楽とは歴史的にも密接な関係で結ばれており、これらの背景をもって、トッパンホールは産声をあげるに至りました。

 演奏家と聴衆、舞台上での演奏家同士、聴衆とスタッフ…など、コンサートをめぐって出現するコミュニケーションの場面はさまざまですが、トッパンホールは、多くの方々に音楽を通しての対話を楽しんでいただける広場のような空間でありたいと思っています。 みなさまにとって「心にいちばん近い場所」でありたい ―それが、トッパンホールの願いです。