ベーゼンドルファー 250(1909年製)1909 Bösendorfer Mode 250
ベーゼンドルファー 250(1909年製)について

製造されてから約116年経った今もなお、ベーゼンドルファーならではのあたたかな「ウィンナー・トーン」を奏で続ける貴重なピアノです。
~当時のウィーンで~
このモデル“250”はかつて「Liszt Flügel ―リスト・フリューゲル(リスト・グランドピアノ、の意)」の愛称で親しまれていました。当時、創業者の息子であり2代目を継ぐルートヴィッヒ・ベーゼンドルファーとフランツ・リストの間にはすでに長年にわたる友情が存在していました。リストへの敬意や栄誉をたたえて、このように呼ばれていたようです。
このモデルは鍵盤の数によって二つのタイプが製造されていました。92鍵盤のタイプは1933年まで、88鍵盤のタイプが1935年まで製造されていました。
今回使用されるピアノは92鍵盤であり、通常のモダンピアノよりも4鍵盤拡張されています。より深い倍音と、このピアノでしか味わえない重厚な響きを生み出してくれます。
宮殿でのサロンコンサートが中心であった時代に生まれた、ウィーンの風薫るピアノです。

~ウィーンから日本へ~
ウィーンにおいて、最後にはウィーン国立歌劇場内のバレエのリハーサル室で伴奏用ピアノとして使用されていたところ、ウィーン・ベーゼンドルファー社からの紹介により日本へ展示の話が持ち上がりました。そして現地でのオーバーホール後、日本へ輸入することが叶いました。2012年頃のことでした。
1909年の製造後どのような道をたどって最後のウィーン国立歌劇場にたどり着いたのか、戦災で記録が消失していることもあり詳細は定かではありませんが、約100年の間にこのピアノでどのような曲が奏でられたのか?どれほどの演奏家の手に触れたのか?どのような人たちに囲まれてきたのか?…と想像を巡らせると、まるで無限に世界が広がるようです。
当時の文化や音楽シーンを連想させ、当時にタイムスリップしたようなロマン溢れる響きを奏者と聴衆にもたらしてくれます。
ベーゼンドルファー・ジャパン(㈱ヤマハミュージックジャパン)
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